「健診」と「検診」
Q. イタリアでは(日本みたいな)毎年の定期健診はどこでやってますか?
50歳以上の人に、2年ごとの子宮がんとマンモグラフィー検査
A. イタリアの健診のお話をさせていただく前に…
「健診」と「検診」の違いについての言葉の整理…
「健診」とは「健康診断」や「健康診査」のことで、
ある一定の集団に対して、医師による「診察」や「諸検査」によって「健康状態を評価」し、「疾患の予防・早期発見」を目的としたもの
(例:「乳幼児の定期健診」、「学校・職場での健康診断」など…)
一方で、
「検診」も、同じくある一定の集団に対して「健康状態を評価」するものですが、予め、「ある特定の疾患」について目的を定め、その疾患の「予防・早期発見・治療」を目的としたスクリーニングをするものをいいます。
(例:「がん検診」など…)
健診
- 日本では、乳幼時期、また学校や職場に所属していれば、基本的に毎年の実施を奨励されます。
- イタリアでは、乳幼児健診の他、ある特定の職種などでの就労がない限りは特に「国民健康保険」内では基本的には定められていないようです。
- 「任意」、「自費」による、いわゆる「人間ドック」(伊:Check up, Visita medica periodica)は、各病院や私的検査機関などで出来ますが、メニューは多様。
- 既に一定の検査メニューの決まっている「パッケージ健診」の所もあれば、まずは先に、医師との問診をしながら、各自に合うメニューを作ってもらう「オーダーメイド」の健診をする所もあります。
- 料金は場所や年齢、性別などにより様々
- 「パッケージ」約 €300~700前後
- 「オーダーメイド」約 €2000~2500
40歳以下女性の健診パッケージ 一例(ミラノ私立検査施設)
- 費用約 €600
- 診察(ヘルスチェック)
- 血液検査
- 尿検査
- 検便検査
- 婦人科系超音波検査+パップテスト+婦人科医診察
- 乳房超音波検査+乳腺科医診察
- 心電図+循環器科医診察
- 皮膚がん予防検診+皮膚科医診察
40歳以上女性の健診パッケージ 一例 (ミラノ私立検査施設)
- 費用約 €700
- 診察(ヘルスチェック)
- 血液検査
- 尿検査
- 検便検査
- 婦人科系超音波検査+パップテスト+婦人科医診察
- 乳房超音波検査+乳腺科医診察
- 心電図+循環器科医診察
- 皮膚がん予防検診+皮膚科医診察
検診
- 日本もイタリアも「がん検診」は国として奨励されています
- イタリアの各自治体で推進されている「がん検診」
- 乳がん
- 大腸がん
- 子宮頸がん
種類 | スクリーニング検査 | 対象年齢 | 受診間隔 |
乳がん検診 | マンモグラフィ検査 | 50 - 74才 | 2年に1回 |
マンモグラフィ検査 | 45 - 49才 | 年1回 | |
大腸がん検診 | 便潜血検査 | 50 - 74才 | 2年に1回 |
子宮頸がん検診 | パップテスト | 25 - 33才 | 3年に1回 |
HPV-DNA検査 | 34 ‐ 64才 | 5年に1回 |
(ロンバルディア州例 州により対象年齢・検査法に違い有り)
- 国民健康保険への加入登録が済んでいれば、各健診前に、事前に健康保護局(ATS)から時期、場所についての案内が届きます。
- 少なくともがんの半分は、健康的な生活習慣を身につけることで予防出来ると言われています。日頃からの
- 運動
- バランスよい食事
- 禁煙
- 適度な飲酒
- がん予防スクリーニング検査の受診
を心掛けましょう。